胃のメカニズム胃酸でなぜ溶けないのか?驚異の自律機能とは

お元気様です。もりぞうです。

今回は内臓についてお送りしたいと思います。

内臓と聞いて思いつくのはどこでしょうか。
心臓、腎臓、肝臓と臓と付くのを思い出しやすいですが今日はその中でも胃の働きについてです。

胃に問題を抱える方も多いと思いますがあまり具体的な働きや消化の過程も知らない方も多いのではないでしょうか。

食べものを口に入れるとまず口→食道→胃と最初に到達する消化器官です。
基本的には消化は胃で始まります。

胃は事前の消化酵素と酸を産生しますが、その中で最も重要な消化酵素の1つがペプシンです。

ペプシンはタンパク質をペプチドという小さな分子に分解します。

このペプシンが働くためには酸性の環境が必要となるので、同時に塩酸も作っています。

塩酸は日本の法律でも劇物指定ですから相当な危険物です。
胃が本気を出せば工業用塩酸に匹敵するくらいの強さの酸を大量につくることも出来ますし、シャツにこぼせば穴があき、眼に入ったら失明し、しまいにゃ鉄をも溶かす威力です。

ですから多くの細菌も死滅させられてしまうんですね。

これが自分の体の中にあると思うとゾッとしてしまいますがご安心を。

それは胃の表面(上皮)にいる上皮細胞がアルカリ性の粘液も分泌しているので上手に中和してくれます。

おかげでお腹に穴があくことはそうそうありません。

このアルカリ性の粘液は上皮細胞の胃腔内側にべったりとくっつき、胃酸の酸とペプシンを中和して細胞表面に到達できないようにしてしまいます。

だからいくら強酸性の塩酸と消化酵素が食べものと混じりあって胃の中で渦巻いていても上皮細胞は常に安全な中性環境に置かれているのです。

胃はさらにもう一つの安全機構を持っています。

胃は消化酵素のペプシンそのものを分泌するわけではなく不活性化状態の前駆物質ペプシノーゲンを分泌するのです。

酸に触れるとペプシノーゲンがペプシンに変わるプロセスが開始されますが、ペプシンがごく少量つくられるとすぐにそのペプシンが残りのペプシン―ノーゲンをペプシンに変える反応を触媒します。

このプロセスは細胞表面では勝手におきません。

なぜなら先ほどの通り細胞表面はアルカリ性の粘液で満たされているので食物の待つ胃腔内でしか作られないんです。

胃は常に塩酸を作っているわけではないのです。

酸をつくるのも大変な作業なのでつくらなくていい時には胃もお休みモードです。

これで24時間ひやひやしなくて済むわけです。
それと同じようにペプシンもアルカリ性粘液も必要な時に分泌されているわけですね。

しかも胃の塩酸スープはうまく撹拌されちょうど吸収しやすくなったら胃が自分で判断して次の十二指腸にバトンタッチをします。

ということは胃はただ食物を消化するだけではなく貯蔵できるのですね。実はそのおかげで常に食べ続ける必要がないですし必要な分量を定期的に食べなくても済んでいるんです。

驚くなかれ胃には朝昼晩の食事をいっぺんに入れてしまうことができるし、とてつもない量の食物を入れてしまうことも可能です。

それには胃の伸縮性があります。
つまり、内圧を上げることなく面積を広げることができるのです。

胃は風船とは違います。風船をいっぱいに膨らませたら手を放した瞬間に風船内の空気が栓から出てきてしまいますが胃では大量の食べものをいれても内圧が上がらないので逆流することはないんですね。

胃の切除術術での最も重大な後遺症の1つはこの食物貯蔵機能が失われてしまうことです。
ですから手術を受けた患者さんは1日に6回、あるいはそれ以上の回数に分けて食事をしなければならないのです。

腸管でもこれほどすぐれた貯蔵能力をもったところはありません。

消化や撹拌に時間がかかるようだとすぐに送らずさらに胃に食物をとどめ良い頃合いで送るという心遣いもみせる胃だけに良い人?なんです。

しかし食べてすぐ横になる。油ものやアルコールを多量に摂取するとその胃酸が食道の方に逆流してしまいます。

すると胃の手前の食道もたまったものではありません。

次回は食道と胃食道逆流症(GERD)についてお送りします。
最近多くいわれている逆流性食道炎もこのGERDの1つなので興味にある方はご覧ください。

本日も最後まで骨格屋のブログを読んで頂きありがとうございました。
もりぞうでした。

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