シリーズ/人体の神秘 ミクロアドベンチャー 第4話:ピロリ菌の襲撃

「うわぁっ、博士っ、大変です
アドベンチャー号が少し溶けてきてるんじゃないですか?」
「たっ、大変じゃ、胃酸が強力過ぎるんじゃ、えっっと・・・」

会話の途中ですが、こんにちは西口店の井岡です

人体の神秘に魅かれ、ヨネゾ博士と一緒にミクロアドベンチャー号に乗って、人体の中へとミクロの冒険を始めたアルボ君
前回は胃液の調節や胃潰瘍についてみてきました。

さて、なにやらアクシデントが発生した様子のミクロアドベンチャー号ですが、
一体どうしたのでしょうか

ガタンッ、ガタンッ

「ん?博士、何か音がしたような」
「気のせいじゃろ、それよりも胃酸に溶けないためのバリアースイッチどこだっけー、えーっと・・・」

ガタガタッ、ガタガタッ、ドンッ、ドンッ

「ハ、ハ、博士」
「なんだい、ちょっと今それどこじゃ・・・」

「ちょっと博士ってば、う、後ろに何かが・・・イマス
「えっ、どれどれ、うひょー
これはピロリ菌じゃー、襲ってきておるー

「博士ー早くなんとかしてー」
「えっっと、スイッチはどこじゃ~…。あった!粘液バリアー、ON!」

「博士ー、それワイパーのスイッチみたいですよ、
「えーっ、ホントじゃ、スイッチどこだ~」
「こっち見てにらんでるー、助けて~」
「お、あった、ON!」

「ふぅー、危ないとこじゃった。もうバリアーをはったから大丈夫じゃ」
「はぁー、ビックリした」

「でも博士、胃酸はなんでも溶かしてくれるはずなのに、何でピロリ菌は溶けずにいるんですか?」
「ふむ、それはじゃな、ピロリ菌は胃液を中和するための酵素というものを持っとるんじゃ。それを分泌して自分の周りを安全にしとるんじゃよ」

「んー、ずる賢いですね」
「同時に、毒素ももっているからやっかいなんじゃよ」

「あれ?ってことは、博士、アドベンチャー号の粘液バリアー効かないんじゃ・・・」
「えっ、あっ・・・・・・

ガタガタッ、ガタガタッ、ドンッ、ドンッ

「わぁー博士ー、ちょっと外見てください、たくさんのピロリ菌に囲まれてる~」
「ひょぉー、ホントじゃー」

「ちょっと博士、くっ、臭い~。こんなときにオナラしないでくださいよー
「違うぞぃ、わしじゃないぞぃ。これは・・・たっ大変じゃ、ピロリ菌の毒素で攻撃されておるぞぃ」

ピロリ菌は尿素を分解する酵素を持っているためアンモニアを作ります。
同時に毒素を分泌するため、アンモニアと毒素によって胃壁を傷つけるため、
胃炎や潰瘍の原因のひとつと言われています

「博士―、なんとかして~」
「こういう時はじゃな・・・・それっ、逃っげろ~

「ふぅぅー。アルボ君ここまで来ればもう大丈夫じゃ」
「はぁ~、助かった~」

やれやれ。アルボ君と博士、どうやら無事に逃げたようですよ。
さて、今日のアルボ君は、ちょっと厄介そうなピロリ菌のことを知ったようです。

「なんだかピロリ菌はずる賢そうだけど何故ここに・・・、どうやってやっつけるんだろう・・・」

つづく

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シリーズ/人体の神秘 ミクロアドベンチャー 第3話:酸の海(後編)

「あれっ、博士、あそこに溝のようなものができてますよ」
「ん、ちょっと近づいて見に行ってみようかのぉ…

会話の途中ですが、こんにちは西口店の井岡です

人体の不思議に興味を抱き、ヨネゾ博士と一緒にミクロアドベンチャー号に乗って、人の体の中へとミクロの冒険を始めたアルボ君
前回は胃液の殺菌や消毒作用、消化酵素のことや胃粘膜の保護など胃液の働きについてみてきました。さて、今日はどんなことが待っているのでしょうか

「ほらっ、あそこに」
「ん、どれどれ、ホントじゃ。ありゃりゃ~、あれは潰瘍(かいよう)じゃな~」

「潰瘍?」

「アルボ君、胃で分泌されている胃酸や消化酵素、粘液の量というのは、神経やホルモンの働きによって、いつもバランス良く調整されておるんじゃよ
「へぇ~」
「胃酸が多くなって粘液が少なくなるとどうなると思う?」

「バランスが崩れて壁を保護できないんだからぁ…、胃の中が傷ついてしまいそうー」
「その通りじゃ、胃粘膜が傷ついてしまったものを胃潰瘍と言うんじゃぞぃ」
「なんだか痛そう」

「身体の中って絶妙な調節で保たれているんですね」
「そうなんじゃ、色々な情報のやりとりが行われて適切なバランスをとっているんじゃよ」

「潰瘍になる原因って何なんですか?」
「そうじゃなぁ、ストレス、薬、タバコ、過剰なアルコール摂取、ピロリ菌感染など色々あってな、それらが原因と言われておるんじゃ

(因みに、胃液の分泌は自律神経やホルモンの働きによって行われています。ストレスの際に分泌が多くなる副腎皮質ホルモンは胃の粘液分泌を抑える働きがあります。)

「食事しても痛いんですか?」
「そうじゃ、胃潰瘍は食事をした後も痛いんじゃよ。因みに、胃の先にある十二指腸というところに潰瘍があると、空腹時や夜寝てる時に痛くなったりもするんじゃが、食べることによって少し改善する傾向がみられるんじゃ」
「へぇー、場所によって少し違うんですね」

(十二指腸潰瘍の腹痛は背部へ放散することもあります。また、持続性の強い腹痛の場合は穿孔(せんこう:穴があくこと)の可能性も疑われます。そのような場合は専門医にみてもらいましょう。)

胃の中の状態は神経の働きやホルモンの作用などによって、いつも良いバランスで保たれているんですね
今日のアルボ君は、胃液の調節や胃潰瘍のことについて理解できたようです。
さて、次回のミクロアドベンチャー…

「うわぁっ、博士、大変です
「ん、どうかしたかぃのぅ?」

「ア、アドベンチャー号が少し溶けてきてるみたいです
「たっ、大変じゃー・・・」

おやおや、アドベンチャー号にアクシデント発生のようですよ。
果たしてこの後どうなってしまうのでしょうか

つづく

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シリーズ/人体の神秘 ミクロアドベンチャー 第2話:酸の海 ~胃液~(前編)

モグモグモグ、ゴックン

「うわぁー、博士~、飲み込まれた~」

こんにちは西口店の井岡です

人体の不思議に興味を抱き、ヨネゾ博士と一緒にミクロアドベンチャー号に乗って人の体の中へとミクロの冒険を始めたアルボ君
前回は口の中に入って唾液の素晴らしい働きをみてきました。
良く噛んで食べると大切な反応が起こり脳を活性化することに繋がるんですね。

さて、食べ物と共に飲み込まれてしまったミクロアドベンチャー号ですが、
今日はアルボ君とヨネゾ博士に一体どんなことが待ち受けているのでしょうか

「ふぅー、どうやら助かったみたい。博士、ここは一体どこですか?」
「アルボ君、ここは胃の中じゃよ」

「へぇー、胃の中って結構広いんですね。博士、ここでは何をしてるんですか?」
「ここでは主に殺菌や消毒をしたり、食べた物を消化するという大切なことをしとるんじゃよ」

「まずは口から入ってきた物を溶かすんじゃ。胃には食べたものが直接そのまま入ってくるじゃろ、食べ物と一緒に細菌なんかも入って来てしまうこともあるんじゃ。そのまま細菌が繁殖したら一大事じゃからのぉ、だからやっつける必要があるんじゃよ

「でも博士、どうやって溶かしているんですか?」
「ここは強い酸の海なんじゃ。なんでも溶かしてしまう塩酸というものが分泌されておるんじゃぞぃ。食べ物と一緒に侵入してきた細菌などに対して、殺菌や消毒効果があるという訳じゃな

「へぇー、心強い味方ですね~」

「アルボ君、何で食べたものを消化するのか知っとるかい?」

「えっ、それは体にとって栄養になるからでしょ?」
「まぁ、そうなんじゃが。いきなりは吸収できないんじゃよ。まずは食べ物をとても小さく分解する必要があるんじゃ。このことを消化と言うんじゃよ

「ん・・・、消化?、吸収?ってどういうことですか博士~?」

「胃の大きな役割というのは消化でな、胃から栄養分を体の中に吸収しているわけではないんじゃよ。まずは体の中に取り込むことが出来るサイズまで細かくする必要があるんじゃ」

「なるほどぉ~
細かく分解して吸収できる状態に準備しているってことですね

「そういうことじゃ

「アルボ君、食べ物には、糖質、タンパク質、脂質など種類が色々とあってのぉ」
「あっ博士、それなら学校で習いましたー」

「この塩酸は、タンパク質(お肉など)を分解するお手伝いもしているんじゃよ。胃の中にいる別の細胞が分泌している消化酵素の元に働きかけているんじゃぞぃ」

(専門的には、主細胞が分泌するペプシノゲンに、壁細胞が分泌する塩酸が関わり、ペプシンというタンパク質分解酵素が出来上がります)

「働き者ですねー。でもどうして、胃の中の壁は溶けないんだろう…

おやおやっ、アルボ君いいところに気付きましたよ。胃液は強酸性(Ph1~2)です。もし皮膚にかかったら、ただれてしまうほど強力なのです。
しかし、粘液を分泌してくれる係りの細胞たちが別にいて、バリアーを作って胃粘膜を保護しているのです

「だから胃壁は溶けないんじゃよ」
「へぇ~なるほど、うまくできてるんですね」

「あれ、博士、あそこに溝のようなものができてますよ」
「ん、ちょっと近づいて見に行ってみようかのぉ…」

今日のアルボ君は、胃液の殺菌や消毒作用、消化酵素のことや胃粘膜の保護作用など、胃液の働きについて理解できたようです
さて、溝のようなものに近づいていったアドベンチャー号ですが、そこには一体何があるのでしょうか

つづく

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最新!がん細胞の中に侵入、内部からやっつける免疫細胞 HOZOT(ホゾティ)

おおっ、スゴイ
新たな抗癌メカニズムに活用の期待が高まる発見が発表されました
その名も「HOZOT(ホゾティ)」

こんにちは西口店の井岡です。今日はミクロアドベンチャー番外編です。

日本人の死因No.1と言えば癌です。私たちにとって身近な怖い言葉でもあります。
そんな癌に対して、最新の研究についての記事がありましたので、ちょっと取り上げたいと思います

先月9月、林原生物化学研究所が発表したものですが、ヒトの臍帯血(へその緒)にある血液細胞(リンパ球)が、癌細胞の中に入り込んで、癌細胞を内部から死滅させるという現象を世界で初めて確認したという内容のものです。
まるでトロイの木馬のように外部から内部に侵入して、癌細胞をやっつけてくれるという凄い技を持った細胞なわけです

んっ、ホゾティってどういう意味?(。・ω・)ノ゙

へその緒を意味する「ホゾ」と、免疫細胞の一種であるT細胞の「T」をとって、HOZOT(ホゾティ)と名付けられたそうです

このホゾティですが、癌細胞に対して進入する割合は、乳癌で20%、胃癌や大腸癌で十数%に上り、正常な細胞には侵入しない性質も発見されているそうです

おぉー、それは素晴らしい~ヾ(=^▽^=)ノ

とはいえ、まだまだ未知の領域が多く、ヒトへの応用も解っているわけではありません。今後さらに研究を進めて5~6年を目途に臨床試験をしていきたいそうです。
今後の可能性に新たな期待がもてる発見ですね

それにしても・・・

母体の中、へその緒でつながるお母さんと赤ちゃん…
その臍帯の中で、このような細胞が受け継がれているなんて…
感動です…
人の体はホントに神秘的です…

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おまけ
「もう少し詳しく知りたいなぁ・・・
という方のために追加で書いてみました。ご興味のある方はどうぞご覧ください

ところで、なんで癌って悪いの?(。・ω・)ノ゙

癌細胞というのは、自分自身の正常な細胞が何らかの理由で悪性化してしまったものです。(もともと私たちの体には、癌遺伝子と癌遺伝子を抑えるための遺伝子を持っているのですが、癌の遺伝子スイッチがONになってしまうのです。)

正常でなくなってしまった細胞は、我を忘れて(自分の働きである役目を忘れて)勝手にどんどん増殖します。増えることが目的と化してしまう訳です。正常なうちは体の中で統率されていましたが、役割を果たせない異常な細胞になってしまったので、当然ながら言うことを聞きません。統制がきかないのです。
癌細胞は本来の役目を果たすことが出来ず、しかもどんどん増殖してしまうため、体の中で悪さをしてしまうのです

癌細胞って怖い~Σ(`□´/)/

それで今回の新たな発見ですが、大きく分けて2つ凄いことがあります
ちょっとまとめてみました

———————————
スゴイこと:その1
このホゾティは、臍帯血由来の免疫細胞の一種なわけですが、
自らで癌細胞を見分けて選択し、
積極的に癌細胞の中に侵入してから、
自らで死を迎えるのです。
その時に癌細胞の中で、数種類のタンパク質でできた障害物質を放出して、癌細胞を死に誘導しているというわけです

おおっー(*゚▽゚*)

もともと自分自身の正常な細胞でありながら、我を忘れて暴走する癌化した細胞に対して、ホゾティは自ら近寄って行って内部に入り、自らの命を絶って、もうこれ以上いいんだよと言わんばかりに食い止める。
なんとも涙ぐましいではありませんか

今回の研究は、ホゾティが癌細胞の中に侵入する現象が特徴になります。このことを、cell-in-cell「セル―イン―セル」というそうです。
(細胞のことをセルといいます)
細胞は細胞膜という「膜」で覆われていますが、その膜を突破して内部に入っていくという凄い技を持っているのです

どんな可能性があるの~(。・ω・)ノ゙

抗癌作用を持つ免疫細胞として、
「癌患者自身の血液でcell-in-cell活性を持つ細胞をつくって治療」したり、抗癌剤の効きにくい癌に対して「抗癌剤を直接運んでもらう運搬役として活用」したり、色々と可能性があるわけです

すっ、すっ、スゴイ~(o^∇^o)ノ

———————————
スゴイこと:その2
このホゾティは、抑制性(ブレーキ役で抑える係)のT細胞なのです

どういうこと~?(。・ω・)ノ゙

免疫系細胞には他にも多くの種類(顆粒球、単球、リンパ球)があって、その中のリンパ球という種類の中に、「ヘルパーT細胞」という細胞がいます。この細胞は免疫の活性には欠かせない存在のものです。

で、免疫を過剰に活性する働きを持つヘルパーT細胞に対して、ホゾティは抑制作用を持っていることが分かっているそうです。さらに、炎症抑制物質(IL-10)を作る能力がとても高いことが確認されているようです

うぅ~難しくて分からない~、分かり易く言って~(/TДT)/

ざっくりいうと、過剰な抗体反応を抑える働きや、炎症を抑える働きを持っているということになります。つまり、自己免疫疾患やアレルギー疾患に対する可能性も大きいということです

すっ、すっ、スゴイ~(o^∇^o)ノ

———————————
まとめ
まだまだ未知な領域も多いため、今後もホゾティそのものの解析やcell-in-cell活性メカニズム解明、遺伝子探索など積極的に研究していくようです。
日本人の死因No.1である癌をはじめ、自己免疫疾患、臓器移植後の拒絶反応抑制など、様々な分野で応用が期待できそうです

ちょっと難しい話だったけど…
これから多くの可能性がありそう~(*゚∀゚)っ

日々様々な専門分野で色々な研究が行われており、日進月歩の科学技術によって、私たちは医療の恩恵を受けています。誠にありがたいことですね

それにしても人の体はとても神秘的です…

おわり

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シリーズ/人体の神秘 ミクロアドベンチャー 第1話:魔法の水 ~唾液~

パクッ、モグモグモグ・・・・

「んんー、さすが特上カルビじゃ、美味しいのぉ~、アルボ君」
「あっ、ちょっと、ヨネゾ博士、人の分まで食べないでくださいよー」

「あれっ、そうだっけ」
「まったく、博士はいつもとぼけてばかりなんだからー」

ちょっと途中ですが、こんにちは、西口店の井岡です

医学博士であるヨネゾ博士
将来の夢は冒険家というアルボ君
なんだか2人は焼き肉のことでもめてるようですよ

もう少し会話を聞いてみましょう

「でもアルボ君、この焼き肉カルビ、わしの口の中には入っとるのじゃが、まだ、わしの体の外にあるぞぃ」
「・・・・。博士、なに意味不明なこと言ってるんですかー」

「体の中は、体の外なんじゃよ」
「ん?中は外?って…ますます分かりません」

「ヨネゾ博士、それって…、どういうことですかー
「口から物を食べたら、やがて、うんちとなって出てくるじゃろ」

お食事中のかたすみません

「口から肛門までは1本の長い管になってるんじゃ。
ほっぺたも、ほっぺたの裏側も、自分の指で触ることができるじゃろ」

「はい、触れますよ」

「口の奥だって、その延長線上なんじゃよ。例えて言えば、体の中に大きな筒が入っているとすると、筒の入り口が口で、出口が肛門ということじゃ。」

「博士、ということは、筒の内側は、体の外ってことですか
「その通りじゃ。体の中に入っても、外界と繋がっとる世界なんじゃよ。」

「ん~、なんだか博士に騙されてる気がするけど。
でも一体どんな世界なんですか?」

「アルボ君、人間の体の中は、とっても神秘的な世界じゃよ
わし達を含めた自然界に生きるすべての生き物は、食べ物を体の中に取り込んで、体にとって必要なものを作ったり、分解して取り出したエネルギーを使って動いたり、要らなくなった残り物を出して、生きとるんじゃ」

「へぇー、体の中って、色々なことをしてるんですねー」

「そうじゃな。体の中の筒というのが消化管と呼ばれる管なんじゃ。体にとって必要なものを取り込むために、色んな工夫があるんじゃぞぃ」

「博士、なんだか面白そうですね。なんか見てみたいなぁー

どうやらアルボ君は、からだの中という未知の世界にワクワクしてきたようです

「よし、じゃぁ実際に見に行ってみようかのぉ

「えっ、博士、見に行くって、一体どうやって行くんですか?」
「わしが発明したミクロマシーンなら、体をミクロの単位まで小さくすることができるんじゃ。
「博士、ホント?」

「そして、わしが発明したミクロアドベンチャー号で行くんじゃ。これに乗ればどんなところにだって行けるぞぃ」
「わー、凄いっ、博士

私たちヒトの体はとても神秘に満ち溢れた世界です
そんな神秘の世界へ、ミクロアドベンチャー号に乗って冒険してみましょう

「わわわぁー、博士ー、まわりがどんどん大きくなっていくー」
「ハハハ、アルボ君、わし達がどんどん小さくなっとるんじゃよ」
「あ、そっか。なんかドキドキしてきたぞー

さぁいよいよ出発です。それでは、ヨネゾ博士、アルボ君、いってらっしゃ~い

「あ、博士、いいタイミングで食事をしている人がいますよ。
あれっ、あの人、TVのお願いランキングに出てる美食アカデミーの川越シェフに、ちょっと似てるなー」

「アルボ君、それはどうでもいいけど。
よし、ではあの人の体の中入っていくぞぃ。よしっ、口が開いた、突入じゃー」

アーーン
モグモグモグ
(うん、美味しいぃー

「わぁー、博士ー、目が回る~、助けてー
「わしもじゃー、えーッと、
安定装置防衛シールド、スイッチON。ふー、さぁこれで大丈夫じゃ」

2人は無事に口の中に入ることが出来たようです

「どうなってるんですかー、博士」
「今は、食べ物を噛み砕いてよく混ぜて、柔らかくしているんじゃよ」

「ところで博士、なんですかこれ?壁や地面から大量の水が、どんどん溢れ出てきますよ」
「アルボ君、これは唾液じゃ。とっても大切な働きをしてるんじゃ」

そうです。この壁や地面から出てきている正体は唾液です
唾液はとても重要な働きをしています

消化を助ける酵素というものを出したり、食物成分を溶かして味覚を起こしてくれたり、食べ物を滑らかにして噛み易くして飲み込みやすくしたり。
口の中の粘膜を保護して、口の中を湿った状態にして、口の中と歯を清浄に保ってくれて、抗菌作用なんかもあるんです

「博士、こんなにたくさん、一体どのくらいの量でるんですか」
「唾液の大部分は水分で、およそ1日に0.5リットルから1.5リットルも分泌されているんじゃ。そして、唾液にはサラサラしたものと、ネバネバしたものと2種類あるんじゃ。」
「へぇー、そんなに出てるんですか」

では、どうのようにして唾液が出てくるのしょうか

唾液の分泌は自律神経とういう神経によって調節されていて、口の中にある唾液腺というところから出てくるのです

「無条件反射といってな、口の中に食べ物が入ってくると、粘膜が刺激されて自動的に出るようになっとるんじゃ」
「へぇー、なんか難しそうだけど、良くできてるんですね」

「アルボ君、その他にも条件反射といってな、感覚を刺激しながら食べ物と組み合わせて条件づけしても出てくるんじゃよ」

「博士ー、なんだか難しいよ~、条件反射?それってなんですか?」

「そうじゃな、例えば、ワンちゃんに餌をあげる時に必ずベルを鳴らすことにしよう。
餌とベルを条件づけるんじゃよ。そうすると、ワンちゃんはベルを鳴らすだけで
反射によって唾液が出るんじゃ。昔ロシアでなされた有名な研究でな、パブロフの犬と呼ばれとるものじゃ。ベルを鳴らすと餌だと思って唾液が出るようになるからのぉ、餌をあげなくてもベルを鳴らすと唾液が出るんじゃ」

「んー、なんだか、ワンちゃん可哀そう~」

あれ、アドベンチャー号の前に何やら近づいてきましたよ。
ヨネゾ博士とアルボ君、大丈夫でしょうか

「わぁぁー、博士ー、目の前にお化けがー、たくさんいる~。たっ、助けて~」
「ハハハ、あれはお化けじゃない、細菌じゃよ。大丈夫じゃ、ほれ、見てみんしゃい」

「あ、あれっ、溶けちゃった」

「唾液は魔法の液体なんじゃ。細菌もやっつけてくれるしな。
歯を修理してくれるのは歯医者さんだけど、虫歯菌と戦ってくれてれいるのは唾液なんじゃ」

「よく噛むとたくさんの唾液が出てくるんじゃよ。
噛んで食べることは、消化に良くって、口臭や虫歯の予防にもなるし、脳も刺激され活性化するんじゃよ」
「唾液って、凄いんですね」

「ここで大切なことは、きちんと噛むという働きを、きちんと使う、ということなんじゃ」

ヨネゾ博士のおっしゃる通りですね
もともと人が持っている働きを、正しく使うということが大切なことなんです

「なるほど博士、だから良く噛んで食べなさいっていうんですね。」
「そうじゃな、噛む回数は食べ物によってもちろん違うけど、口に入れたら50回以上は噛むようにした方が良いじゃろな」

「アルボ君、ほれっ、ハァ~、どうじゃ、わしの息は」
「うっ・・・・・

今日のアルボ君は、良く噛むことや、唾液の大切さについて理解することができたようです

ミクロアドベンチャー号に乗って冒険を始めたばかりのヨネゾ博士とアルボ君。
この先どんな出来事が待ち受けているのでしょうか

モグモグ、モグモグ。モグモグ、モグ。ゴックン…

「うわぁー、博士~、飲み込まれた~」

つづく
(もし2人が無事であればですが)

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