発達障害11 「LD(学習障害)の鑑別診断について」

こんにちは、山田です(o^∇^o)ノ

今回は発達障害11「LD(学習障害)の診断」です。

LD(学習障害)が発見される時期

LD(学習障害)は読み書きが始まる、学校現場で気づかれることが多いのですが、その場合医療機関において知的障害がないかなどの鑑別診断が必要となります。

LDの多くは、小学生に上がり、学年が少しずつ上がるにつれて、次第に学習の理解の遅れが目立つようになり、その頃から学校の先生や親が気付きます。

学業を怠っているわけではないのに、ある教科の学習到達度が1,2学年遅れているような場合はLDを疑ってみるべきでしょう。

LD(学習障害)が疑われたら・・・

LDが疑われた場合、小児神経科や児童精神科の専門医などに相談し、診察や検査を行った上で診断してもらいます。

このとき、知的障害がないか、ADHDや自閉症ではないか、または合併していないかなどもチェックしてもらいます。

他には、ディスクレシア(読み書きの障害)を早期に判定するためのものが(小学生の読み書きスクリーニング検査―発達性読み書き障害(発達性dyslexia)検出のために(インテルナ出版) )開発されています。
これは、小学1年~6年生の各学年につき、読み書きの標準値に達しているかどうかがわかります。

判断基準(文部科学省HPより)

文部科学省では、LDのある子供を判断するための基準として「LD,ADHD, 高機能自閉症の判断基準(試案),実態把握のための観点(試案),指導方法」を定めています。

A.知的能力の評価

1.全般的な知的発達の遅れがない。

個別式知能検査の結果から,全般的な知的発達の遅れがないことを確認する。
知的障害との境界付近の値を示すとともに,聞く,話す,読む,書く,計算する又は推論するのいずれかの学習の基礎的能力に特に著しい困難を示す場合は,その知的発達の遅れの程度や社会的適応性を考慮し,知的障害としての教育的対応が適当か,学習障害としての教育的対応が適当か判断する。

2.認知能力のアンバランスがある。

必要に応じ,複数の心理検査を実施し,対象児童生徒の認知能力にアンバランスがあることを確認するとともに,その特徴を把握する。

B.国語等の基礎的能力の評価

○国語等の基礎的能力に著しいアンバランスがある。
校内委員会が提出した資料から,国語等の基礎的能力に著しいアンバランスがあることと,その特徴を把握する。ただし,小学校高学年以降にあっては,基礎的能力の遅れが全般的な遅れにつながっていることがあるので留意する必要がある。

国語等の基礎的能力の著しいアンバランスは,標準的な学力検査等の検査,調査により確認する。
国語等について標準的な学力検査を実施している場合には,その学力偏差値と知能検査の結果の知能偏差値の差がマイナスで,その差が一定の標準偏差以上あることを確認する。

なお,上記A及びBの評価の判断に必要な資料が得られていない場合は,不足の資料の再提出を校内委員会に求める。さらに必要に応じて,対象の児童生徒が在籍する学校での授業態度などの行動観察や保護者との面談などを実施する。
また,下記のC及びDの評価及び判断にも十分配慮する。

C.医学的な評価

○学習障害の判断に当たっては,必要に応じて医学的な評価を受けることとする。
主治医の診断書や意見書などが提出されている場合には,学習障害を発生させる可能性のある疾患や状態像が認められるかどうか検討する。

胎生期周生期の状態,既往歴,生育歴あるいは検査結果から,中枢神経系機能障害(学習障害の原因となり得る状態像及びさらに重大な疾患)を疑う所見が見られた場合には,必要に応じて専門の医師又は医療機関に医学的評価を依頼する。

D.他の障害や環境的要因が直接的原因でないことの判断

1.収集された資料から,他の障害や環境的要因が学習困難の直接的原因ではないことを確認する。
校内委員会で収集した資料から,他の障害や環境的要因が学習困難の直接の原因であるとは説明できないことを確認する。

判断に必要な資料が得られていない場合は,不足の資料の再提出を校内委員会に求めることとする。さらに再提出された資料によっても十分に判断できない場合には,必要に応じて,対象の児童生徒が在籍する学校での授業態度などの行動観察や保護者との面談などを実施する。

発達障害の客観的な診断が難しいため、専門家チーム全員の了解に基づいて判断を行うことを原則としています。

次回は「LDの治療(サポート)と予後」です。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました(*^_^*)

=======================
川口のカイロプラクティック 骨格屋
https://www.kokkakuya.biz/
フリーダイアル
0120-598-249
埼玉県川口市川口3-2-1 リプレ川口一番街2F
予約受付時間/9:30~19:00
定休日/ 不定休
=======================

発達障害6「ADHD(注意欠陥多動性障害)の特徴」

皆様あけましておめでとうございます、山田です(^o^)丿
2014年も骨格屋をよろしくお願いしますm(_ _)m

さて今回は、「ADHDの特徴」です。

ADHDの行動特性は、脳の実行機能がうまく働かないために自分を制御できないことが原因で生じるものです。
具体的には、注意を向けなければいけない対象に自分の注意を向けることができない、ある衝動がわき起こったときに、行動を起こす前にやってもよいかどうかを一瞬立ち止まって考えることができない、今自分が何に取り組まなければならないかということを意識し続けることができない。といった具合です。

このような行動特性のために学校では先生の指示に従えなかったり、授業の内容がよく理解できなかったりといった不都合が生じます。

また我慢ができなかったり、衝動を抑えられなかったりすることで、「乱暴な子」や「わがままな子」といったレッテルを貼られてしまい友達との関係がうまく築けないということがしばしば見受けられます。

ADHD8つの特徴

1、忘れ物が多い
学校や職場で必要なものを忘れたり、宿題はやったのに持ってくるのを忘れたりします。
また仕事や待ち合わせしていることを忘れてしまうため、待ち合わせ場所に行きそびれてしまうこともあります。

2、集中できない
すぐに集中が途切れてしまうため、課題や宿題、作品作りを最後までやり遂げることが困難になります。
人の話をしっかりと最後まで聞いていることが難しいため話の内容の理解力が乏しくなります。

3、注意力が散漫
自分の注意を注意を向けるべく所に向け続けることが苦手です。他の物音や目に入った物に注意を奪われやすいので、やはり集中して話を聞いたり作業をすることが難しくなります。
普通ですと、一瞬気を取られることはあっても自制が働き、自分の注意を元に戻すことができます。

4、落ち着きがない
一定時間じっとしていることができません。常に体のどこかを動かしていることがあります。
おしゃべりがやめられなかったり、授業中着席していることができないため立ち上がったり立ち歩いたりします。
特にこの特性が目立つと公共の場や厳粛な式典の席でもおしゃべりがやめられなかったり、じっとしてられずにいるので、「行儀の悪い子だ」とか「親のしつけが悪い」などといった非難を受けやすくなります。
こういった特性はTPOを選ぶことなく現れるので、逆に家庭では親の言うことが聞けなかったり、マナーを守ることができないが、公共の場ではきちんとふるまえるのであれば、ADHDではないということになります。

5、考えてから行動することが苦手
「考えてから行動する」ということが苦手なので、思いついたことをすぐに行動に移してしまいます。
ですので、突発的な行動や言動が多くなるため「手をあげて、先生に指されてから答える」ということができないので、指されてもいないのに答えてしまいます。

6、順番を待つことが苦手
列に並ぶことが苦手で、順番を待ってから行動することができない。

7、かんしゃくを起こす
自制が効かないので、自分の意見が通らなかったり、思い通りにならないと、大声を上げたり、周りの人を叩いたりして怒りをぶつけます。

8、事故に遭いやすい
注意力が散漫で、衝動的に行動をしてしまう傾向が強いため、事故に遭いやすいという統計が出ているようです。

ADHDチェックリスト

■注意欠陥
1、いったん始めたことを最後までやりきれない
2、しばしば人の言うことを聞いていないように見える
3、すぐに気が散る
4、集中力が必要な宿題などをやり遂げることができない
5、遊んでいてすぐに飽きてしまう

■衝動性
1、よく無思慮に行動する
2、一つの事に熱中したかと思うとすぐに他の事に気が移る
3、課題を順序立てて行えない
4、何をするにも付きっきりの指導が必要
5、ゲームや遊びの順番が待てない

■多動性
1、走り回ったり、高い所にすぐに上がったりする
2、静かに座っていられない
3、いつもモーターで動かされているかのように動き回る

■友人関係
1、すぐにぶったり、ケンカをする
2、ほかの子に嫌われている
3、他人の邪魔をよくする
4、他人に命令ばかりする
5、ほかの子をよくいじめる
6、集団の遊びに参加しない
7、すぐにかんしゃくを起こす

(点数:全くない(0点)、時々(1点)、しばしば(2点)、いつも(3点))

評価は何点以上ならADHDであるという評価はできないが、得点が高いほどその可能性は高くなります。
チェックリストがあれば、治療の効果を評価する際にも活用できます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました.。゚+.(・∀・)゚+.゚

=======================
川口のカイロプラクティック 骨格屋
https://www.kokkakuya.biz/
フリーダイアル
0120-598-249
埼玉県川口市川口3-2-1 リプレ川口一番街2F
予約受付時間/9:30~19:00
定休日/ 不定休
=======================

アスペルガー症候群の鑑別診断、治療方法と予後について

こんにちは、山田です

今回はアスペルガー症候群の診断、治療と予後について。

アスペルガー症候群の診断について

小児の発達障害の診断においては、他の障害と共通する特性が多く鑑別には慎重さを要するため、場合によっては何年も掛ることがあるので、やはり多くの症例に接している小児の発達障害の専門医がいる小児神経科や小児精神科を受診するほうが良いと思います。

アスペルガー症候群の自己診断基準としては、アスペルガー症候群自己診断テスト(ICD-10 世界保健機関 WHOの診断基準)やアスペルガー症候群自己診断テスト(ギルバーグの診断基準)があるのでそちらを参考してください。

例としてギルバーグの診断基準です。

A社会性の欠落(極端な自己中心性)
友だちと相互に関わる能力に欠ける。
友だちと相互に関わろうとする意欲に欠ける。
社会的シグナルの理解に欠ける。
社会的・感情的に適切さを欠く行動。

B興味・関心の狭さ
ほかの活動を受けつけない。
固執を繰り返す。
固定的で無目的な傾向。

C反復的な決まり
自分に対して、生活上で。
他人に対して。

D話し言葉と言語の特質
言葉の発達の遅れ。
表面的にはよく熟達した表出言語。
形式的で、細かなことにこだわる言語表現。
韻律の奇妙さ、独特な声の調子。
表面的、暗示的な意味の取り違えなどの理解の悪さ。

E非言語コミュニケーションの問題
身振りの使用が少ない。
ボディランゲージのぎこちなさ。
表情が乏しい。
表情が適切でない。
視線が奇妙、よそよそしい。

F運動の不器用さ
神経発達の検査成績が低い

アスペルガー症候群の治療と予後について

治療と言ってもアスペルガー症候群の原因となっている脳機能の独特な働き方を、薬や手術によって治すことはできないようです。

しかし、人とうまくコミュニケーションをとるためのソーシャルスキル(社会的技能)が身につけられるように支援や指導をしてあげることで、日常生活の困難は徐々に減っていきます。
これは、自閉症をはじめ発達障害全般に有効な【療育】(治療教育)と呼ばれる治療法で、子供の生活上の困難を減らし、状況ごとに適切な行動がとれるよう教育的な援助を行うものです。

発達障害を早期に発見し療育を始めることが、社会に適応しやすくなり、社会生活を営めるようになるという予後のパターンに良い影響を与えます。

逆に障害になかなか気づかれずにいると、ソーシャルスキルが身に付かないために、他人とのコミュニケーションが図れず社会生活が営めないため、社会との接点が減ります。
そうして挫折感や無力感、意欲の減退など二次的な精神障害を引き起こしやすくなると、通常の治療だけでは効果が得にくくなり改善にかかる時間も長くなってしまいます。

要は早期発見・早期働きかけ(治療)を行うことが大切だということです。

カイロプラクティックで治るの??

今度詳しく書こうと思っていますが、「カイロプラクティックで治るの?」という声がちらほら聞こえてきましたので簡単に・・・
すでに病院で「発達障害です」と診断されている方の寛解は時間が掛ると思いますが、その手前のグレーゾーンにいる方、例えば診断基準が10項目あり8項目で発達障害と診断されるとします、そしてテストで7項目該当したとすると発達障害とは診断できないが、それに近い状態の方には良い効果がみられるのではないかと考えています。

さて次回は、ADHDとはです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました(*^_^*)

=======================
川口のカイロプラクティック 骨格屋
https://www.kokkakuya.biz/
フリーダイアル
0120-598-249
埼玉県川口市川口3-2-1 リプレ川口一番街2F
予約受付時間/9:30~19:00
定休日/ 不定休
=======================